こんにちはドイツ在住のぬこです。
この記事では私の夫が実際にメンタルを病んでしまったときにどう対応したかをまとめます。
心が疲れた時に出た症状
私の夫の場合、「バーンアウト(燃え尽き症候群)」と診断されました。
最初は仕事に対する意欲がなくなったという症状が出始めました。
それまでは毎日忙しくしていたものの、愚痴をこぼしながらも朝はちゃんと起きて仕事に向かっていました。
しかしいつの間にか朝の目覚めが悪くなったり、仕事のことが頭をよぎって早朝に目が覚めたり、会社に行こうとしてもなかなか支度に手が付かなかったりというような症状も現れました。
これはいつもの様子と違うと思い、私から夫に会社を休むように言いました。
思い当たる原因
いろいろ考えられますが、高頻度の出張と長時間労働による睡眠不足、上司によるパワハラが主な原因ではないかと思います。
月の半分以上は出張で、帰宅しては荷造りして出張の繰り返し。もちろんこんなスケジュールでは土日に移動した分や残業の代休も取れないまま。
バカンス先にも仕事用のスマホとPCを持っていきメールのチェック、休暇中だというのにミーティングを入れられ…せっかくの旅行も心から楽しめなくなりました。
業務量も残業も増え、だんだんと睡眠を削るように。さらに上司からのパワハラでどんどん追い詰められていきました。
これらをきっかけに心も体も疲弊していき、最終的には会社を休むという選択をしました。
まずはかかりつけ医に行く
ドイツでは会社を3日以上休むには病欠届(Krankschreibung)を提出しなければいけません。
メンタルヘルスに関する医者といえば精神科や心療内科が一般的ですが、ドイツではいきなりこれらの病院にアポを取ることはほぼ無理。基本的には紹介状がないと予約は取れません。
なのでまずはかかりつけ医(Hausarzt)に行き、どのような対応をしたらいいか相談します。
かかりつけ医は病欠届や就労不能書(Arbeitsunfähigkeitsbescheinigung)を書いてくれますし、場合によっては血液検査や薬を処方してもらうことも可能です。
カウンセリングに行く
Hausarztに紹介状を書いてもらって、カウンセリングと精神科の予約を取ることに。
しかしここで問題が…予約が全然取れない!
最初のカウンセリングの予約には約1ヶ月ほど待ったし、そこで精神科のウェイティングリストにも入れてもらえましたが半年~1年待ちと言われました。
また複数のカウンセラーと会って自分に合う人を探した方がいいとのことで、夫は2人のカウンセラーに会いました。
しかし常に予約枠の取り合いで、月1でしか予約が取れず…3回ほど通いましたが、最終的には現状の患者で手一杯ということで受け入れを断られてしまいました。
夫の体調が少しずつ回復してきたので、カウンセリングを中断してHausarztに定期的に診てもらい、休みを延長しながら療養していきました。
どのように治療したか
Hausarztの判断で薬を使わず、日常生活でできることで回復に努めました。
- 規則正しい生活を送る
- 午前中に日光を浴びる
- アルコールを減らす
- 運動する
- 食生活を見直す
基本的に指示されたのはシンプルに5点。
朝は遅くとも8時頃には起きて、午前中の間に外に出て陽の光を浴びる。
ストレスのせいか夫はビール1本+ウイスキーのロック1杯程度のアルコールを毎日飲んでいたのですが、ドイツではそれはアルコール中毒と判断される。実際にカルテにも書かれました。
せめて週末だけにするなど摂取頻度を減らすように言われました。
また体を動かすことも重要。できれば散歩のようなゆったりしたものだけでなく、ランニングや筋トレのような心拍数が上がる運動もした方がいいと言われました。
そして意外だったのが食生活の見直しについて。ドクターからは人工甘味料と小麦製品を控えたらどうかと提案されました。腸内環境を整えることでメンタルの改善にも繋がるそうです。
これらを意識的に実践することで少しずつ元気を取り戻していくようになりました。
体調不良を放置しない
夫は「まだ仕事を続けられたかもしれない」と言っていたこともありましたが、遅かれ早かれ体調を崩して休んでいたと思います。
日頃から活動的だった夫ですが、ストレスや疲労の蓄積で徐々にすり減っていったのでしょう。
「まさか自分がこうなるとは思っていなかった」というのが夫の感想で、一度メンタルのバランスが崩れてしまうと回復にはそれなりの期間が必要になります。
ドイツは病院もカウンセリングもアポが取りにくいので、限界まで頑張ってしまうのはかなり危険だと実感しました。もし普段と様子が違う、最近落ち込んでばかりいる、無気力状態が続くなど思い当たることがあるなら、放置せずに早めに対応してください。
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